No.17 女性とキャリアは人生のテーマ、多様な仲間に支えられ支えていく|特定非営利活動法人 女性と仕事研究所

SDGsでキラリ輝く大阪をつくる女性たち

No.17 女性とキャリアは人生のテーマ、多様な仲間に支えられ支えていく

2020年10月01日

諸田 智美(もろだ さとみ)さん
特定非営利活動法人女性と仕事研究所 代表理事(大阪サクヤヒメSDGs研究会ジェンダー部会メンバー)

佐賀大学卒業後、1987年大手システム会社に入社。SEとして金融情報系システムプロジェクトに従事。
退職後、キャリアチェンジにより、マンションリフォーム企画営業を6年、パソコンスクール責任者を6年経験。
2006年1月e ラーニング大手の(株)ネットラーニング入社後、2009 年11月仕事と育児・介護の両立ソリューションを提供する(株)wiwiw(ウィウィ)へ転籍。2014年2月に「男女ともにキャリアと育児の両立を実現するためのシンポジウム」を企画・運営など、ワーク・ライフ・バランスの啓発に従事した。
2014年5月より現職。2014年 9月 AP通信から世界へ配信された「安倍内閣に5名の女性が入閣に関する」記事にコメントが掲載された。2017年より「育休後アドバイザー養成講座」を企画・運営している。
大阪商工会議所「第2回大阪サクヤヒメ表彰」活躍賞受賞。


現在のお仕事の内容をお聞かせください。

「女性の能力をひらく」をビジョンに、女性のキャリア形成を支援しています。具体的には、自治体委託事業の就労相談・各種セミナー企画運営、自主事業の「育休後アドバイザー養成講座」企画・運営です。さらに、NPO法人の代表理事として、経営企画・人事・総務・広報のマネジメントも担当しています。

お仕事以外で、何か活動(趣味、地域活動など)をしていらっしゃいますか?

年に数回ですが、知らない街並みを散策するのが趣味です。日帰りや旅行で。これまで、熊本、佐賀、横浜、川崎、さいたま、東京都内、大阪と住み替えしましたが、やはり、昔ながらの街並みや自然が好きですね。ただ、散策の思い出は写真としてあまり残さず、忘れかけたら再訪することも楽しんでいます。地域活動としては、大阪サクヤヒメ活躍賞受賞をきっかけに、大阪サクヤヒメSDGs研究会ジェンダー部会のメンバーとして、大阪・関西の女性がキラリ輝くための支援活動をしています。

これまでの人生を振り返ってみて、困難はありましたか?また、どうやってその困難を乗り越えられましたか?

40代半ばころ、人生を振り返るための「ライフラインチャート」を知りました。主観的な幸福感の度合い(良い、悪い)を縦軸に、年齢を横軸に設定します。そこに、今日までの自分の歩いてきた道を曲線のグラフで書き込みます。年齢の出来事も書き込みます。客観的に自分の人生をふりかえることができます。私の場合、長時間残業や離婚等などによる精神の不安定な時期が、人生の転機になっていることがわかりました。結果論になってしまいますが、人生の困難を乗り越えるためのひとつの具体策として、異なる職種への転職や引っ越し等がありました。人生を振りかえってみると、困難な時に「今いる環境にしがみつくのではなく、異動、転職、起業、引っ越しなども選択肢に入れ、環境を変えることは悪いことではない」という考えも持っていれば、楽だったと思います。今は、その考えも持っているので楽になりました。

SDGsに興味をもったきっかけは?

某企業のCSR報告書を読んだのがきっかけです。SDGsのゴール「持続可能な世界の実現」は、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標8「働きがいも経済成長も」を切り口にNPO活動のミッションとも合致していたので、SDGsの取り組みを強化したいと考えました。特に、2020年7月7日に国連が公表したThe Sustainable Development Goals Report 2020によれば、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」の日本の達成度と進捗度が低く、取り組みの強化が必要です。具体的には、女性国会議員の人数、男女の賃金差 、家事・子育てなど無賃労働時間の男女差などに取り組む必要があります。
ひとりでも多くの人に、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を自分事としてとらえていただくためにも、NPO活動を続ける必要性を感じています。

ご自身のお仕事や生活の中でSDGsをどのようにとらえていますか?

仕事では、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」目標8「働きがいも経済成長も」の実現を目指し、「育休後アドバイザー養成講座」企画・運営を通して、地域や職場の「働き方改革、男性の育児・家事参画、女性活躍推進」支援に取り組んでいます。生活では海洋プラスチックごみ削減を自分事としてとらえ、目標14「海の豊かさを守ろう」を目指し、マイバッグを毎日持参、プラスチック製品の購入を控える等身近にできることから取り組んでいます。

大阪・関西の女性がキラリ輝くために、何が必要と思いますか?

転職で大阪に引っ越して6年経ちました。大阪・関西は、よく言われる「おせっかい文化」があります。大阪サクヤヒメSDGs研究会もおせっかい文化を大事にしているメンバーで形成され、多忙な中、ボランティアとして活動を継続できています。そして、活動できる時間はみんなバラバラですが、多様なメンバーでお互い様の風土が形成されています。大阪・関西の女性がキラリ輝くためには、おせっかい文化を大事にし、多様な仲間とつながることがきっかけになると思います。

さいごに、大阪・関西の女性にメッセージをお願いいたします。

女性とキャリアに関する課題解決のヒントは、仕事や地域活動、趣味などを通して多様な仲間とつながること。そして、多様な仲間に支えられ、自分も仲間を支えていく。その経験が「楽しく生き働く」ことにつながると思います。

ありがとうございました。

(取材:2020年9月/所属・役職名等は取材時のものです)

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