No.28 日本からサザエさん症候群を無くしたい!強みを活かして誰もがいきいきと働く世の中に|特定非営利活動法人 女性と仕事研究所

SDGsでキラリ輝く大阪をつくる女性たち

No.28 日本からサザエさん症候群を無くしたい!強みを活かして誰もがいきいきと働く世の中に

2021年03月13日

漆原 美里(うるしはら みさと)さん
株式会社リンクアンドモチベーション
LWESTカンパニー MMWユニット・EMWユニット カスタマーサクセスグループ(大阪サクヤヒメSDGs研究会ジェンダー部会メンバー)

2005年 株式会社リンクアンドモチベーション入社


現在のお仕事の内容をお聞かせください。

組織変革コンサルティングを展開している会社の西日本事業部で、カスタマーサクセスグループのリーダーをしています。組織変革に関するコンサルティングと言っても色々とありますが、私たちの目指す組織変革とは、社員のモチベーションを成長エンジンとした「モチベーションカンパニー」創りです。世界で初めてモチベーションに着目したコンサルティング会社という点が特徴です。
具体的には、企業の人材育成・人事制度・組織風土の設計を支援する「モチベーションマネジメント領域」と、従業員エンゲージメントの高い組織作りに重要な採用を支援する「エントリーマネジメント領域」を兼務し、両領域毎の、ソリューションシステムをマネジメントしています。

お仕事以外で、何か活動(趣味、地域活動など)をしていらっしゃいますか?

2019年は、関西学院大学の「ハッピーキャリアプログラム」の女性リーダー育成コースに参加していました。メンバーの成長を事業の発展に繋げたいと思っていたものの、自分自身のリーダーシップスキル不足を痛感していたタイミングでした。最初は子育てと仕事含め両立できるか不安でしたが、前向きな仲間と切磋琢磨する中で、学ぶことの楽しさ、成長することのを喜びを心底感じる貴重な経験となりました。
現在は大阪サクヤヒメSDGs研究会の活動に参加する傍ら、息子や夫と釣りやキャンプに行くことに熱中しています。淡路島や徳島などに出かけて船釣りや堤防釣りをし、釣った魚をキャンプで塩焼きにして食べたり、自然の中でキャンプファイヤーをするひと時がかけがえのない時間になっています。

これまでの人生を振り返ってみて、困難はありましたか?また、どうやってその困難を乗り越えられましたか?

就職氷河期だったので、就職活動には苦労した思い出があります。入社後も、今よりもジェンダー平等があまり声高に叫ばれていない時代だったので、女性ということで、お茶汲みや営業所の掃除、電話番などで1日が終わることも多くありました。そんな環境下で数年働いておりましたが、男女関係なく自分の実力を試したいという想いが諦めきれずに、今の会社に転職をしました。コンサルティング業界は全くの無経験で知識も何もない状態だったので、1つでも人より多くを吸収しようと必死に働き、子供を産んでもペースを変えずにおりました。しかしそんな中、気づけば「あなたのようには働けません」と切実な顔で訴えてくる後輩が1人、2人、3人と出てきてしまいました。
気が付くと、「モチベーション」に光を当てたコンサルティング会社で働いているにもかかわらず、自分自身のモチベーションに無関心で、時間でどうにかする働き方、周りを頼らず意固地に自分で閉じて働いている状態でした。
これでは、後輩はおろか、モチベーションカンパニーづくりを実現されたいと望むお客様にとってもロールモデルとは到底言えないなと一念発起しました。上司や後輩だけでなく、夫も含め、所属する組織の仲間を信じる。それぞれが持つ強みを知り、繋げて成果に結びつける。その意識に変わったことで、肩の荷が一気に下りたような気がします。(周囲からも「怖くなくなった。柔らかくなった」と言われるまでになりました、笑)

SDGsに興味をもったきっかけは?

ご縁があって、たまたまSDGsの講演に参加したことがきっかけです。話者の方がとてもいきいきと取り組みについて話されていて、素敵だな、SDGsのことをもっと詳しく知りたいなと思うようになりました。私のキャリアビジョンが「息子が社会人になる15年後までに日本の就労観を変える。誰もがいきいきと働ける世の中を創る」なのですが、それと通じるものがあると共感したことも大きいです。問題を先延ばしにせず、身近なところから自分ゴト化していくことが、未来の子どもたちのために、大人の私ができることなのかなと思っています。

ご自身のお仕事や生活の中でSDGsをどのようにとらえていますか?

私の会社のミッションは「私たちは モチベーションエンジニアリングによって 組織と個人に変革の機会を提供し 意味のあふれる社会を実現する」なのですが、まさしく「8.働きがいも経済成長も」を中心に事業運営しています。「社員のモチベーションを競争優位性の源泉とする企業組織=モチベーションカンパニー」を1社でも多く輩出するために、組織の問題解決や願望実現のコンサルティングサービスを行っています。
「主体的・自立的に自らのキャリアや人生を切り開くビジネスパーソンを育成したい」「生産性の高いチームづくりをして提供価値を高めたい」「サステナブルな事業運営をするために次世代リーダーを育成したい」「10年後の会社経営を担う人材を採用したい」…そんなお声にお応えするべく、企業研修や採用イベントの企画運営を行う部署に所属しています。
多くの企業にコンサルティングサービスを提供し、モチベーションカンパニーを増やしていくことで、世の中の働き口が増え「1.貧困をなくそう」にもインパクトするようにしたい。ビジネスパーソンが、課題解決方法やモチベーションコントロール方法、コミュニケーションスキル等を学ぶ機会を広く提供することで、その学びが周囲に伝播し、少しでも「4.質の高い教育をみんなに」に近づくようにしたい。性差関係なく学んで、活躍いただくことで「5.ジェンダー平等を実現しよう」にもつなげていきたい、そんな風に捉えています。

大阪・関西の女性がキラリ輝くために、何が必要と思いますか?

自分の可能性を否定しない、その一言に尽きるなという想いです。何か新しいことを挑戦する機会があっても「私なんて…」と遠慮される方がまだまだ多いように感じています。かくいう私もかつてはそうだったように思います。「まだ早い」「やれる自信がない」「うまくいくか分からない」と、やる前からやれない理由をいくつも上げて、せっかくのチャンスを逃してしまうことが多かったです。いざやってみると、頑張っていることを周囲は見てくれていますし、助けてくれます。その積み重ねがやがて自信につながっていきます。最初から自信のある人はいないんだなと、思い切って挑戦してみることで分かりました。仲間やチーム、何よりも自分を信じることが、キラリ輝くための必要条件だなと思っています。

さいごに、大阪・関西の女性にメッセージをお願いいたします。

内なる想いを持ち、悩みながらも一歩踏み出すエネルギーをお持ちの方が、関西に住む私の周りには多いなと思っています。私自身は大阪サクヤヒメ表彰者ではないのですが、表彰者の方と一緒に活動する中で「想いをカタチにするってワクワクするな」「働くって楽しいな」「誰かの役に立つって嬉しいな」と思う機会が増え、毎日の生活がより充実したように感じています。子育てのこと、キャリアのこと、健康のこと、もちろん日々の悩みは尽きませんが、一度きりの人生、苦悩の小じわではなく、笑顔の笑いじわになるように楽しんでいきましょう。SDGs研究会の活動、是非ご一緒しませんか?

ありがとうございました。

(取材:2021年03月/所属・役職名等は取材時のものです)

メールでのお問い合わせ
お問い合わせ