No.29「自分にもできるかも」と思って、一歩踏み出そう|特定非営利活動法人 女性と仕事研究所

SDGsでキラリ輝く大阪をつくる女性たち

No.29「自分にもできるかも」と思って、一歩踏み出そう

2021年04月26日

本 奈美(もと なみ)さん
大阪商工会議所 人材開発部 研修・採用支援担当 課長(大阪サクヤヒメ表彰事業担当)

1996年大阪外国語大学(現・大阪大学)外国語学部英語学科卒業
1996年4月~大阪商工会議所に入所し、国際部に配属。1998年に英国マンチェスター市の招聘で2週間英国に滞在し、地域活性化施策を学ぶ。西部カナダ4州と京阪神の商工会議所がビジネス交流拡大のために、カナダ・マニトバ州で開催した「第3回関西/西部カナダ・ビジネスフォーラム」等を担当。
1999年4月~ 産業部にて環境ビジネスの振興に取り組む。
2000年4月~ 国際部にて外国(北米・欧州)とのビジネス交流促進事業を担当。
2004年4月~ 地域振興部にて文化・観光振興事業を担当。大阪府内最大101のホテルが深夜11時頃に空室を大幅割引料金で提供する「大阪ナイトカルチャー・ミッドナイトチェックイン制度」、山本能楽堂で4つの伝統芸能をダイジェストで鑑賞できる公演「初心者のための上方伝統芸能ナイト」、船場近代建築ネットワークと山本能楽堂と連携し、船場の近代建築を巡るラリーや船場を学ぶ講座等を行う「船場を遊ぼう」等を企画・運営する。2回の産休・育休を取得。
2015年~人材開発部 研修担当にて、企業向け研修事業を担当。
2017年~人材開発部 研修・採用支援担当課長。女性活躍推進事業の一環として、第3回~第5回大阪サクヤヒメ表彰事業を担当する。


現在のお仕事の内容をお聞かせください。

企業における女性活躍推進と採用支援事業を担当しています。女性活躍推進の一環として、第3回~第5回の「大阪サクヤヒメ表彰」(https://www.osaka.cci.or.jp/osakasakuyahime/)を担当。同事業では、2016年から2020年の5年間に、ロールモデルとなる女性リーダー227人を表彰しました。受賞者の皆様には、フォーラムやセミナー等にご登壇いただき、自社の取り組みやご自身の経験についてお話いただくほか、働く女性の皆様と交流していただく機会を設けています。また、受賞者有志の皆様を中心に、働く女性で組織された「大阪サクヤヒメSDGs研究会」や「万博サクヤヒメ会議」の活動をサポートし、SDGs達成や2025年大阪・関西万博に向けた取り組みを行っています。
採用支援事業では、新卒や若手、外国人留学生等の採用を検討されている企業を対象に、効果的な採用手法や事例を紹介するセミナーや、大学等の就職支援担当者と企業との就職情報交換会等を開催しています。

お仕事以外で、何か活動(趣味、地域活動など)をしていらっしゃいますか?

土曜日はこどもの習い事の送迎、日曜日は家族で出かけることが多いです。こどもが友達の家に遊びにいくなどして、週末に自分の自由になる時間ができたときは、映画鑑賞や読書をしてのんびり過ごしています。今の業務に英語は必要ないのですが、将来英語が必要になったときに対応できるよう、7年前から日曜日の夕方1時間はオンラインで英会話レッスンを受けています。

これまでの人生を振り返ってみて、困難はありましたか?また、どうやってその困難を乗り越えられましたか?

早くに結婚したのですが、こどもをようやく授かったのは結婚して9年目で、高齢出産でした。育児休業から復帰した際には、授乳のため夜中に数時間おきに起きる生活で、睡眠不足に悩まされました。こどもは頻繁に熱を出し、保育園からお迎えの要請がかかるため、いつ仕事を休まないといけないのかひやひやしながら過ごしていました。ようやく落ち着いたと思った頃、数日間こどもの高熱が続いたため1週間入院し、周囲に迷惑をかけてしまいました。こどもが健康であっても、保育園のお迎えの時間が決まっているため、以前のように仕事を思いきりがんばりたくてもできないことに歯がゆさを感じるとともに、こどもと過ごす時間が十分にとれないことに罪悪感を感じていました。自分の自由になる時間がほとんどないこともつらかったです。
年齢のこともあり2人目は無理だと思っていたのですが、幸い40歳になる直前に2人目を授かることができました。1人目の経験を踏まえ、育児休業中はタイムマネジメントの本を多数読み、効率的に仕事をする方法を学びました。2人目の復帰時には以前よりも担当業務が増えていたのですが、短時間勤務でも成果を出せるよう、仕事の進め方を大幅に見直し、仕事のスピードを上げるよう努めました。また、上司に常に情報共有をし、突然自分が休んでも業務が滞らないように工夫しました。夜9時半にはこどもとあわせて寝るようにして睡眠時間を確保するとともに、朝早く起きることで、自分のための時間を確保しました。管理職になった今でも、部下とは自身のスケジュールだけでなく、当日行う予定のタスクやメールの内容もできるだけ情報共有するようにしています。

SDGsに興味をもったきっかけは?

大阪サクヤヒメSDGs研究会の前身である「大阪サクヤヒメ有志の会」が企画し、2018年11月に大阪商工会議所が主催して実施した「大阪サクヤヒメ 女性管理職 SDGsフォーラム」に携わったことがきっかけです。このフォーラムでSDGsの基本を学ぶとともに、多くの方がSDGsに強い関心をもっていることを知りました。

ご自身のお仕事や生活の中でSDGsをどのようにとらえていますか?

あえてSDGsを目指して仕事や生活をしなくても、普段の仕事や生活はSDGsに結びついていると考えています。ただ、女性活躍推進事業を担当するまでは、ジェンダーギャップを意識することがあまりなかったので、以前なら、例えば「ジェンダー平等の実現」と言われてもぴんと来なかったと思います。以前の私と同じように、知識がないためにSDGsの理解が不足している人に、必要な情報を届けることも私の仕事だと思っています。

大阪・関西の女性がキラリ輝くために、何が必要と思いますか?

自分がやりたいこと、自分に与えられた仕事は、とにかくやってみることだと思います。難しそうなことでも、取り合えず手をつけることで見えてくることがありますし、自分には向いていないと思ったことも、何度もやっているうちにできるようになることがあります。女性は男性に比べて自信を持ちにくい傾向があるそうです。根拠がなくても「自分にもできるかも」と思って一歩踏み出すことが重要だと思います。

さいごに、大阪・関西の女性にメッセージをお願いいたします。

大阪商工会議所では、大阪サクヤヒメSDGs研究会の皆様と連携して、様々な女性活躍推進事業を実施しています。仕事で悩みがある方、他社の方と交流したい方、他社の事例を知りたい方など、どなたでも歓迎しますので、ぜひお気軽にご参加ください。

ありがとうございました。

(取材:2021年04月/所属・役職名等は取材時のものです)

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