育休後コンサルタント®への道 山口理栄コラム公開~なぜ、育休後アドバイザーの養成講座が必要なのか~

育休後コンサルタント®への道 山口理栄コラム(全5回)
第2回 なぜ、育休後アドバイザーの養成講座が必要なのか

育休を取得して働き続ける労働者の数は、育児介護休業法の施行以来順調に増え続け、2010-2014の統計では出産前就業に比べて就業継続が53.1%となり、初めて出産退職46.9%を逆転しました(第15回出生動向基本調査 図表Ⅱ−4−3より)。

さらに、対象を正規職員に限定すると、就業継続率は2000-2004の時点ですでに52.4%と半数を超え、2010-2014には69.1%に上っています。

       正規職員の出産前後の就業変化

二つのグラフを見ていただくと気づくと思うのですが、就業継続率は2005-2009の5年間から2010-2014の5年間にかけて、それ以前のなだらかな変化に比べて急激に増加しています。

この急な変化に対応できず、社会問題になっているのが保育所の待機児童の増加であることは言うまでもありません。そして、職場でも全く同じように、育休を取得して復職する社員の急増に、マネジメントが追いついていないのです。

妊娠がわかったとき、職場で育休をとって復職している人が多数派だったとしたら、経済的なことも含め、仕事を続ける方を選ぶ方が自然です。しかし、その判断をした時点で、あとで待ち構えている保育園の待機児童問題や、復帰後の職場での微妙な居心地の悪さについて正確に認識している人がどれだけいるでしょうか。

自分の経験から振り返ってみても、特に初めての子を妊娠した時は無事出産できるかどうかという不安で頭がいっぱいになり、それ以外のことは後で考えよう、となりがちです。それは決して責められることではないと思います。

しかし、育休取得者を待ち受けている現実はあまりにも理不尽すぎます。法律に基づいて作られた育児休業制度に従って休業し、予定通り復職しようとすると、子どもの預け先がない。なんとか預け先を確保して復職したと思ったら、今度は職場でははれものにさわるような扱いをされ、自分はお荷物なのだろうか?戻ってこないほうが良かったのだろうか、といたたまれない気分になってしまうのです。

こんな状況に放り込まれた復職者をサポートするのが育休後アドバイザーです。
「仕事と育児の両立は大変だから、いろんな人の手を借りるといいよ」
「それはわかっているんですけど、うまくいかないんです」
「そうなんだ、なかなか難しいよね。あのさ、○○○というのは考えてみたことある?」

こんなふうに、寄り添いながらもそっと背中を押してあげられるようなアドバイザーを、育休後のママは必要としているのではないでしょうか。

「ママ」と書きましたが、父親として育児にしっかり取り組みたいと考えているパパにも、まだまだ厳しい世の中です。過去の経緯や海外との比較、さまざまな立場からの視点を知らなければ、表面的なノウハウに終始した、底の浅いアドバイスしかできません。

育休後アドバイザーは、当人の心の重荷を取り除くだけでなく、その背景にある社会の問題、企業の問題、管理職の問題、夫婦のパートナーシップの問題を理解した上で、具体的な行動のヒントを提示できます。急激に増加している育休復帰者とそのパートナーを支えるために、必要とされている人なのです。

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