No.11 私にとって仕事とは、キラリと光る原石を探し続ける旅のようなもの|特定非営利活動法人 女性と仕事研究所

SDGsでキラリ輝く大阪をつくる女性たち

No.11 私にとって仕事とは、キラリと光る原石を探し続ける旅のようなもの

2020年08月01日

藤江 洋子(ふじえ ようこ)さん
株式会社フジプラス デジタルイノベーショングループ(大阪サクヤヒメSDGs研究会ジェンダー部会メンバー)

立命館大学 法学部法学科卒
大学卒業後に2年間、「修行期間」を経て、広告制作会社で制作ディレクター、コピーライターとして勤務した後、2005年7月に株式会社フジプラス入社(当時の社名は、不二印刷株式会社)。制作部門のプランナーとして入社し、主に販促ツールの企画全般とディレクションを担当。2012~13年にかけ、自社ブランディングを手掛ける「ビジネスデザインプロジェクト」メンバーとして、コンセプトづくりからCI、VI等に着手。2018年より、デジタルイノベーショングループ 次長。
・2級知的財産管理技能士
・2019年 第4回大阪サクヤヒメ活躍賞受賞


現在のお仕事の内容をお聞かせください。

デジタルイノベーショングループは、従来型のビジネスモデルとは異なる「仕組み」を構築することで、自社の情報発信から新規顧客開拓を含めた一連のフローを実現し具体化する役割を担っています。DX(デジタルトランスフォーメーション)を含めた新たなフレームの中に、オウンドメディア運営を組み込む形で実践中です。情報発信に欠かせないオリジナルコンテンツ『Idea4U(アイデア・フォー・ユー:隔月発刊の冊子)』及びオンライン版の『Idea4U+(アイデア・フォー・ユー・プラス)』の企画・運営・取材・執筆・ディレクションから、関連するオンラインセミナーの運営・実施・講師まで対応。正しく発信し伝える、というコミュニケーション全般に関わる全てを対象としています。

お仕事以外で、何か活動(趣味、地域活動など)をしていらっしゃいますか?

英語は今でも学び続けています。インターバルがあったのですが、本格的に学び直して3年目です。「武器」は常に手入れしておかないと、いざという時に使い物にならない!という思いからです。ちなみに、英語は、日本人の先生のクラスとネイティブの先生のクラス両方受講しているため、それぞれに気付きがあります。仕事でも「伝える」ことが中心の職種ですので、たとえ言語が変わっても、言葉のチョイスには生きざまや人生観がにじみ出るものだと実感しています。不思議と、英語の文章の構造を意識することで、日頃仕事で原稿作成(もちろん日本語です)して推敲する際に、客観的な視点を持ちやすくなった気がします。伝えやすさを優先するとシンプルな構造が望ましい、という共通項があるからかもしれません。そのうち、サクヤヒメでも何かお役に立てることがあれば、とひそかに思いを抱いています。

これまでの人生を振り返ってみて、困難はありましたか?また、どうやってその困難を乗り越えられましたか?

客観的に見れば、困難だらけでしたし、今もそうです。ただ、それを困難ととらえるかどうかで全く違います。大学卒業後は、それまで無縁だった挫折感との戦いで、ジャーナリストを目指して就職活動をしたものの、最終的には夢は叶わず、今で言う自分を見つめる一人旅をしたりいろんなアルバイトをしたりして度胸試しをしました。ある種の鈍感力を身に付けて開き直ることができ、スイッチを切り替え広告制作会社に応募。「営業でも制作でもなんでもやります」と大胆発言をして即決してもらったのが、私の仕事人生のスタートでした。その後、現在のフジプラスに入社してからも、さまざまな「はじめて」や、「これまでになかったこと」を経験しましたが、もがいて苦しい時こそ周りの人への感謝を忘れず、自分の心をコントロールする方法を身に付けました。どうしようもない時というのも実際あります。無駄にジタバタせず、機を熟すのを待ち、ここぞという時に一気に動くことも覚えました。母に意見を聞くことも多かったですね。いわゆる母親目線ではなく、仕事をもつ女性の先達として意見を求めたわけです。身近なところに「働く女性」のロールモデルが存在したことで、決定すべきタイミングに、感情論でなく冷静かつロジカルに判断できたのは、大きかったと思います。

SDGsに興味をもったきっかけは?

学生の頃から、国際法ゼミで、世界の連携の重要性やグローバル発想の必要性を叩き込まれた背景があります。SDGsという言葉を知る以前から、先進国・発展途上国の垣根を超えた共通目標を持つという考え方は、個人的にも興味がありました。社内でちょうどSDGs施策の話が出たタイミングに、サクヤヒメSDGs研究会にお誘いいただいたことで、ライフワーク的な視点でも取り組んでみようと新たな興味が湧きました。

ご自身のお仕事や生活の中でSDGsをどのようにとらえていますか?

全ての企業活動が、何らかの形で実質的にSDGsの17のゴールのいくつかに関わるという視点です。だれもが無関係ではいられない、ということです。大規模かつ幅広い分野で展開される企業様の場合は、17のゴール全てが該当するケースもあるかと思いますが、フジプラスとしては等身大で関連するゴールを絞り込み、対応可能な対策を継続することが重要だと考えます。日常生活においても、自分の行動が先々何につながり、どう影響していくのか、という視点で立ち止まると、要不要の判断がしやすくなります。個人が責任を持てない行動を避けるだけでも、地球規模になれば社会が変わるきっかけになると思っています。

大阪・関西の女性がキラリ輝くために、何が必要と思いますか?

かつて頻繁に出入りしていた、撮影スタジオやロケの現場で、改めて女性スタッフの多さに気付きました。フードコーディネーター、スタイリスト、ヘアメイク、時にはフォトグラファーも。女性が消費する商品やサービスを、女性のプランナーやディレクターが立ち会って、女性の専門スタッフと協力して創り上げる現場は、真剣勝負であるものの、元気で明るい空気に包まれます。限られた時間の中で判断を下す緊迫した場面でも、コミュニケーション能力でカバーする女性スタッフたち。これはほんの一例ですが、他の職種でも似たような現象が起きているかもしれません。女性が元気に輝くと、その周りが明るくなりますよね。パートナー、家族、友人、職場の仲間等々、明るさと元気さが連鎖して、みんなの笑顔も輝きます。つまり、みなさんおひとりお一人が、その起点になれるということ。小さな輪も重なり合うと、やがて大きな力になります。キラリ輝くためには、自分が輪の真ん中で笑顔でいられる役割を見つけることが大事だと思います。

さいごに、大阪・関西の女性にメッセージをお願いいたします。

自分の信念を貫くのは、当然大事です。ただし、時には立ち止まり、「目指すべき着地点はここで間違いないのか?」と自問自答するプロセスも必要でしょう。私自身こだわりが強く頑固なタイプですが、そういう方にこそ実践してほしいのが、たまには100%素直に人からの助言を受け入れてみる、ということです。単に拒絶したら、そこでおしまいですが、勿体ない話です。素直に受け入れる、つまり良い意味で流れに沿って進むと、遥か向こうに広がる道が現れることが往々にしてあります。一人ではなかなかできないことも、サクヤヒメとして協力して進んでいくとできることは無限大です。何か行動したいけど、どうすればいいかわからない。そんな時は、サクヤヒメと共に、何か行動してみませんか?そうです。是非ともこの助言も、素直に受け止めることで、何かが変わるかもしれませんよ。

ありがとうございました。

(取材:2020年07月/所属・役職名等は取材時のものです)

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