NPO10年、35000の力

2008年12月1日は特営利活動促進法(いわゆるNPO法)が成立してちょうど10年です。それを記念して東京都新宿区の日本青年館で「市民セクター全国会議2008」が開催されました。今後NPOセクターはどんな公的利益にこだわりつつ、事業と運動(ビジネスプランによる資金確保とミッションのあり方)をやっていけばいいのか、また世界的な共感とつながりをどう持つか、具体的に直面している差別の解決に多様な市民の賛同を得ながら、社会化、制度化する力をどうつけていくのかという討議がなされました。私にとっても急務の課題なので、一言も聞き漏らさない覚悟で参加しました。

この10年でNPOは3万5千団体になり、数の上だけではまさに右肩上がりの急成長でした。他の法人では(07年)、社団法人が約1万2千、財団法人が1万2千、社会福祉法人が約1万8千、学校法人が約7千、医療法人が約4万5千などと比べると、誕生の浅いNPOの急増はめざましいものがあります。これらの公益法人を含む広い意味でのNPOセクター(第3セクター)形成の突破口になってきたのは事実です。従来の第1セクター(行政・自治体)が自己変革を迫られるなか、市民参加や協働を重視する傾向が強まり、その際のパートナーとしてNPOを位置づけるのが一種の流行のようになっています。企業も社会貢献や社会的責任論の強まるなかで、NPOとの関係を模索しています。

しかしこの10年を経て、最も感じるのはNPOには資金が流れてこない、ということです。10年もつぶれずに前向きにやれば、そこそこの力を発揮できる状況になるのが普通のように思われますが日本のNPOは財政規模が小さい、ビジネスができない、リーダーに経営感覚がないなどといわれ放題で、実力を発揮する足場がありません。私自身も「組織力」と「財政力」に課題ありとして大手の派遣会社に自治体のコンペの委託事業をかっさらわれた(そう思っています)体験があります。後から考えれば、NPOもコンペに参加していますという「協働といういいわけ」のためだけだったのか、と納得したのですが、「それをいわれてもどうにもならないじゃないの」と思います。さらに「地域のNPOでもない」とも。NPOが地域自治体の下請け団体から脱して自立するためにも、またどこにも劣らぬ専門性を事業で発揮できるためにも、専門性が資
金になる制度とNPOが存続活躍できる資金制度(税制度も)の改革こそ、10年以降の最大のテーマだと思います。

そうはいえ、私はこのセミナーから大いに元気になって帰ってきました。今進めようとしているプロジェクトや組織体制などに、後押しをもらった気持ちです。

ミッションから始まり、ミッションに戻ることの重要性

フレキシビリティのある働く条件作りをする

諸外国と常に交流しながら活動すること

女性にこだわって、女性が独り立ちできる社会をつくるために、NPOにこだわって、これから必要になるはずのコミュニティカレッジをつくるというテーマでafter 10を頑張るつもりです。

081205

博多の人形店にて 2009年は丑年

秋学期がはじまった、関西大学の「ジェンダー論」

2008年10月3日(金)秋学期最初「現代社会とジェンダー」の授業が終わったところである。春より受講生約2倍になり150名を越えている。机なしの学生が10数人いる。男女比率はほぼ同数、満員である。今日のテーマはM字型就業形態。教材は本日朝刊の記事の朝日(「働けど・・・悲鳴聞いて」と読売(女性の再就職、広がる支援)を使う。まずジェンダーとは。「この教壇の高さは私には高すぎます、埋もれているようです、昨年度までの教室ではホワイトボード(黒板)も上から50センチぐらいは手が届かず、前の授業の書き残しが消せませんでした」「反対に台所のシンクはうちの場合、夫には低すぎて、腰が痛いといつも嘆いています」。これって、大学の教壇は男性の背丈に合わせ、家庭の台所のシンクは女性の背丈に合わせているのですよね。今は両方が使うことが多いのにね、といいながら始める。自己紹介もする。

ジェンダー論は、自分の生き方と教育内容が一致していないと本物にはならない。男女が公平に生きられる社会が望ましいという考えを持ち、生き方、行動を貫いている人間しか教壇には立ってはいけないとずっと思っている。なぜならジェンダー論は生き方を問う学問だから。

毎回、感想出席小文を書かせるようにしている。初回の感想では、「今後の授業が楽しみだ」とか、「女性に対する冷遇や社会的立場の低さは、ある種当然だと感じていたが、改めて考えるとひどい。少しでも改善しなければ」とか「男の先生と違いストレートの説明なので、非常にわかりやすかった。格差
は残念だ」とかの積極的な文章が多い。男子学生も半数以上を占めているが若い男性は日本の行く末もきちんと見えているように思う。家族を養って家長たる地位を維持するなんていう時代ではないと実感している。ただ多くの男性は、未だ無自覚なまま、身近にいる女性に依存しながら生きている。家庭でも職場でも、地域でも。男性自らが女性の抱えている問題への想像力を働かせ、ジェンダー問題を自覚し、女性学(ジェンダー論)とともに共存したいものである。

081009001

コミュニティカレッジを創世する時代

理事会を経て、新しく方向づけが確定しました。
2007年3月、東京のみなとNPOハウスの事務所を閉鎖して1年が経ちました。これからは大阪を拠点とし、ミッションをさらに明確にし、スリム化し、本当に効率的な活動をしようと覚悟しています。ミッションにこだわった活動でNPOの第3セクターとして役割を果たして行こうと思っています。

NPOとして最も重要なのは、メンバーが「ミッション」を共有し、使命感(何のために、何を、誰のために)を持っていることで、ここがぐらつくと、安全弁としての資金が入るのはいいことだと考え、下請けを厭わなくなります。そうなると自主事業に向かわなくなります。

経営目標 「公的資金型」から「民間資金型」経営へ

自主事業を充実させたいです。NPOは行政の下請け機関として組込まれており、NPOの事業には行政の委託事業が増えています。財政的には潤沢にみえますが、自主事業はできなくなり、しなくなります。一方で、行政に関わることは、行政の権威を借りることだから重要だという意見もありますが、どうでしょうか。

活動目標  ミッションを明確化した活動

1 NPOとして活動する

2 女性にこだわって活動する

3 キャリアアドバイザー事業を展開する
・キャリアドバイザーの育成と輩出
・キャリアドバイザーの研修(ブラッシュアップ、つどい)
・M字型就業形態をなくすることにつながる活動
・パートタイム労働の均等待遇の実現につながる活動
・女性の管理職を50%にすることにつながる活動
・女性の起業家やNPO 法人を増やし充実させることにつながる活動
・シングルマザーの就業につながる活動

4 企業の女性活躍を支援する活動(Change Leaderプロジェクト)

5 コミュニティカレッジが必要だという世論を大きくする

6 コミュニティカレッジを実際に創生する

1970年代のアメリカで、女性だけでなく若年者の職業意欲を喚起させ、職業スキルをつけ、女性のM字型就業を台形状に変化させることに大きな力を発揮したコミュニティカレッジ(現在の米国で2000箇所以上)、またイギリスのブレア政権下で、女性や若者を仕事に復帰させるのに効果があったコミュニティカレッジ(現在60箇所08年4月視察)を日本でも制度導入するのに力を発揮したいのです。コミュニティで仕事をするための職業教育制度でもっとも有利なのは中小企業です。理解のある中小企業を増やして、核になる中小企業をつないでいけたら道は開けると思っています。

もうすぐ広島は、今年も熱い季節を迎えます。

080730004

折り鶴の少女「さだ子」像

080730003

子どもたちが手向けた折り鶴

080730002

日本ロータリークラブの招待で訪れたさまざまな国の 青年たち(原爆ドームで)

080730001

原爆ドーム

2008年8月15日メールマガジンのNZの写真

ニュージーランドでは、コミュニティカレッジにあたるところは「ポリテクニック」といいますが、写真は、1989年に訪れたクライ ストチャーチ・ポリテクニックで、カウンセラーの女性たちと一緒にとったもの。

nzphoto

日経新聞は1993年に再度訪問した後の記事で常用パートタイム労働の増加にポリテクニックの役割が大きいという記事です。

(クリックすると拡大されます)
newspaper