5月29日は大阪、堺の生んだ「平和と平等の姉」与謝野晶子の命日です。
私の魂の星でもあります。64歳で亡くなった1942年から66年になります。今年もゆかりの覚応寺で26回忌が営まれました。式典と「君死にたもうことなかれ」(1904年)の合唱のあと、「女性が働くことー晶子が思い続けたこと」というテーマで参加のみなさんとの話し合いのきっかけづくりをさせていただきました。明治・大正、戦前の時代では、日本の女性は家制度と理不尽な性差別の中でもがき、「自分を生きる」という選択はほとんどできませんでした。そんななか与謝野晶子は誰よりも自分を活きる意欲をもやし続けた人だと思います。そのことがあるときには、奔放な情熱の歌人といわれたり、反逆の詩人とののしられたり、また尊敬されたり、11人の子の母でありながら、「母性に埋没するなかれ」と母性保護論争の一翼を担ったり、女性の参政権や労働運動にも積極的に参加することになったのです。与謝野晶子作詞・山田耕筰作曲「婦選の歌」(1930年弟1回全国婦人参政権獲得同盟にて)の第1連は「同じく人なる我ら女性、今こそ新たに試す力 いざいざ一つの生くる権利、政治も基礎にも強く立たん」とあります。生きる権利の確立、充実は、政治や働く権利を中心に、これからこそいよいよ各論の時代が始まると思います。
自然災害はますます巨大化しています。未曾有のサイクロン被害といまだ平和の光明が訪れないビルマでは、スーチーさんは、声と力を奪われたままです。彼女の誕生日、6月19日をスーチーさんの日と定め、平和を祈る日にしようという動きがあります。今年の6月19日ももうすぐです。与謝野晶子の輝きを思い、スーチーさんの生命が輝くことを願いながら・・・。

大阪府堺市「覚応寺」弟26回白桜忌奉讃式

与謝野晶子肖像と大好きだったという「白桜」画

「女性が働くことー晶子が思い続けたこと」 金谷千慧子 大輪の牡丹と白百合があった
Women’s Resource Center(女性のための活動支援)
女性と仕事研究所は女性の活動を応援する活動が重要だと考えています。
ロンドン報告の最後は、WRC(Women’s Resource Center )を紹介します。ここではNPOなど女性支援団体への資金調達や各団体でプロジェクトを効率よく継続するために企画情報、対策案、リーダーシップトレーニング、メンタートレーニング、個別のサポートをしています。
【Why women、only ?】という調査を2007年10月に実施したのは、資金供給者(ファンダー)や公的機関から、女性団体に「なぜ女性による女性のためのサービスにこだわるのか?」と質問されることが多いので、その説明のために実施したそうです。そういえば女性と仕事研究所もいわれ続けています。「なぜ女性と仕事なの?もう均等法のおかげで平等になったのに?」と。まるで女性が平等に仕事ができているかのように、です。女性と仕事研究所も【Why women、only ?】の調査をし、それをどういう戦略でキャンペーンしていくのか検討しようと思っています。
2008年4月23日、全国の女性団体がアクション・デイに参加し、公的資金を導入するよう呼びかける日だそうです。クリアな要求を政府に伝えるアクション・デイという活動もすばらしいと思いました。
WRCではさまざまな出版物を随時収集しており、女性問題に取り組むボランタリーセクターの現状を把握しています。これらの情報はコンピューター上でメール、ニュースレターやウェブサイトで提供できるようになっているほか、紙媒体での保管もしています。

WRCの説明をしてくれたレア・ウィリアムズさん(information and Events Officer)

Why Women-only ? 調査の報告書

ロンドン郊外の美しい田舎風景:ストラトフォード・アポン・エイボン

地下鉄キングス・クロス駅:ハリーポッターがここから出発したとされるプラットフォーム、いつも子どもたちの人気の場所

ヴィクトリア駅:プラットフォーム番号を見上げる通勤者
2 イギリスのコミュニティカレッジ
●イギリスのコミュニティカレッジの最大の目標は「職業教育」
① 職業教育で自立を促進する。
② 自己啓発や知識を得るためのもの(カルチャーセンター的)
③ 大学への進学を目指し、学位を取る一歩になる
① 移民や多民族が世界で活動するための支援(留学後の語学教育など)
●実学と密着した職業教育と大学制度の変化
イングランドに130の大学とカレッジがあるが、その内訳は46の旧大学にポリテクニクスから転換した34の新大学、50のカレッジが含まれており、18歳以上人口に広く高等教育の機会を提供している。1990 年代から、アメリカよりかなり遅れて進んだイギリスのコミュニティカレッジは実学主義。この生涯教育、延長教育と言われている諸学校すべてをカレッジと呼び、「コミュニティカレッジ」とわざわざ言わない人も多かった。ロンドン市内にもいくつもある。実学と密着した職業教育をいつでも受けられるということは、何度でもやり直しが効く人生のセーフティネットが用意されているということで、安心感がある。学問や科学技術などの高度化、EU諸国が「人材開発育成競争」時代に入っていることとの関係が深い。
●今回訪問したのは以下である。
① Sussex Downs College(Lewes College)
Mountfield Road, Lewes, East Sussex BN7 2XH, UK http://www.sussexdowns.ac.uk/(南イングランドブライトン方面 Lewes St.)
②Greenwich Community College(北イングランドNorth Greenwich St)
Plumstead Centre, 95 Plumstead Road, London SE18 7DQ
http://www.gcc.ac.uk/
③Birbeck University of London(Birkbeck, University of London)
Malet Street, Bloomsbury WC1E7HX Russel Square St.
http://www.bbk.ac.uk
④The City Literary Institude (Keeley Street, Covent Garden, London WC2B
4BA HolbornSt.)http://www.citylit.ac.uk/
●サセックス・コミュニティカレッジとグリニッチ・コミュニティカレッジ
郊外のカレッジを訪問した。どのくらいコースがあるのかコーディネーターもわからないというくらい(1000以上だが、と言っていた)で、宿舎もあるし、ホームステイも可能だとのこと。まずは、英語力が問題になる。トイックなどではなく、イギリスのナショナル基準で、どこからはじめるかが決まる。コースが終われば、就職のためにカレッジ内のコネックションズで相談しながら就職を決める。
ただ外国人の場合は、学費も高いし就職もなかなか困難である。そう簡単なことではない。学生はフルタイムだけでなくパートタイム学生も多く、働きながらスキルアップを目指す人も多いようだ。
●保育所
子どもをもつ女性のための保育施設は校舎の真ん中にあってどこからでもよく見える位置にあった。地域の人口構成を反映して、黒人やイスラムのベールを被っている女性も少なくない。教室では、せいぜい10名以下の学生が先生を囲んで、じっくりと話し込んでいるという風景があった。卒業後の就職にはコネクションズ(キャリアセンター)があり、個人面談もされていた。アプレンテシップ(見習い制度)やインターンシップなどの募集もあった。ここを卒業して、大学への進学もあるようだが、どこの大学へいけるかは、成績次第ということだ。わが国にもこのような柔軟な、しかも職業をきちんと目指すカレッジが是非必要だと思っている。

サセックス・コミュニティカレッジ

校舎内保育所

ロンドン大学学生相談室ボランティア相談員

ガイダンスブック
1 パディントンベア
4月1日からロンドンを訪ねました。
滞在7年目の大学生堂山優子さんにはほんとにお世話になりました。 たまたまホテルがパディントンステーションに近かったので、ロンドンっ子に有名なパディントンベアにも会えました。お土産に多いのは、このパディントンベア(この駅へペルーからやってきた熊を引き取り、パディントンと名づけ、あれやこれやありながら育てるブラウン一家のお話は有名)やティデベア、熊のプーさんなどベア好きの国民ですね。 大英帝国などといわれたヴィクトリア女王の時代と違って、1970年代からイギリスは永らくの英国病の停滞時期がありました。景気は落ち込み、生産性は上がらず、福祉経費ばかりがかさみ、教育は荒廃し、「Neet」という若年者就業対策が始まりました。 そのとき「日本の子どもは勤勉で、社会も活性化している国だ」と褒められていたようですが、今や立場は逆になってしまっているのではないでしょうか。 それから30年間改革を続け、今やポンド高、景気は回復しているようです(ホテルの高いこと!)。そして圧倒的優勢だったドル勢力に切り込みを入れるユーロの時代を迎えています。通過統合も近いのではないでしょうか。EU内の舵取りが難しい時期でもあるようです。
女性の働く状態も世界で一流というほどではないけれど、日本のようなM字型就業形態(出産・子育てで仕事をやめ、子育て後パートでという働き方が多い形状)はもう過去の話だし、出生率が低くて人口減少が恐ろしいという不安もないようだし、税金や年金も個人単位であるし、パートタイムの身分差別的な労働条件もない。保育所も十分ではないが、みんな自分の能力を伸ばそうと意欲的に働いているように見えました。EU加盟国イギリスにおいては、EUの指令は具体化されつつあります。
イギリス法制度
性差別禁止法Sex Discrimination Act(1975年) 同一賃金法Equal Pay Act(1970年) 人種関係法(1976年) EUの雇用平等法制がイギリスの女性労働に影響が大きい。 EC設立時(1957年)のローマ条約が男女同一労働、同一賃金原則を規定性差別禁止法 Sex Discrimination Act(1975年)を制定。 均等待遇指令は、「間接に性を理由として差別してはならない」(2条1項)と定める。EU指令には「親休暇指令」「パートタイム労働指令」などにも及ぶ。パートタイム労働者は、フルタイム労働者と同じ時間当たり賃金、職業年金受給権、訓練へのアクセス、年次休暇権、親休暇と出産休暇について定めているが、イギリスの場合は、パートタイム労働者に労働時間によって除外規定を設けている。各加盟国から任命される裁判官15名によって欧州裁判所が加盟国の紛争をさばいている。

パディントン駅にて

パディントン駅とロンドンバス