育休後コンサルタント®への道 山口理栄コラム公開~育休後アドバイザー養成講座を始めるにあたって~

育休後コンサルタント®への道 山口理栄コラム(全5回)
第1回 育休後アドバイザー養成講座を始めるにあたって

「育休後コンサルタントになるにはどうすれば良いですか」という相談を受けることがときどきあります。そのたびに「育休後コンサルタントは資格ではないし、育成する予定もありません」と答えてきました。人に教えようにも、どこからどこまでが「育休後コンサルタント」に含まれるのか整理するのが面倒だったので継承できない、というのが正直なところでした。

ところが、ひょんなことからこの肩書きを商標として登録することになり、それをきっかけに自分以外にも「育休後コンサルタント」がいてもいいかな、という気持ちが出てきました。ちょうど、本法人の代表理事から「育休後コンサルタントを養成しませんか」というお話をいただいていたこともあり、思い切って取り組むことにしました。

社会人になってからかれこれ30年以上。男女雇用機会均等法前に技術系総合職として入社し、最初の10年はとにかく必死で働きました。その後は二度の出産と育児休業を経て、時間制約のある中で思うように働けない状況が続きます。限られた環境の中で、どうすれば仕事の成果を出せるのか暗中模索を続けて10年ほどたったころ、社内の一部門で女性活躍推進プロジェクトが立ち上がり、リーダーの役割を担うことになったのです。

さまざまな職場で育児をしながら働く女性社員の声を聞いたところ、仕事と育児を両立している社員が依然として働きやすいとはいえない状況がわかってきました。その原因は、制度が充実していないとか、無理な仕事をまかされているとか、そういうことではなかったのです。出産前まで担当していた仕事で得た経験やスキルを出産後も生かせればよいのに、それをさせずに異動させたり職種を変えたりしてしまう。その背景には、長時間労働ができない人材は一人前に扱えない、という職場の根深い問題がありました。

さらに、仕事も育児も両立している先輩女性社員がほとんどいないため、これからどんなふうにキャリアアップしていったらいいのかわからないことが本人の不安を大きくしていました。そのような状態ですから、上司も「お手本になるような人がいないということは、きっと無理なのだろう。それなら労力をかけて育てるよりは無難な仕事をしてもらおう」と考えるのも無理はありません。

この問題を解決するには、本人だけでなく、経営方針、管理職の意識改革など、広範囲な改革が必要です。その中で私自身は、育児休業から復職した社員のその後のキャリア形成を可能にするための組織向けコンサルティングに焦点を当てて「育休後コンサルタント」を名乗ることにしました。

育休後コンサルタントの全領域を一度に伝えるのは難しいので、初期段階として、仕事と育児の両立に悩んでいる個人を支えることができる「育休後アドバイザー」の養成から着手しています。育休後アドバイザーは、仕事と育児の両立を目指す人からの相談に対して、表面的にとどまらず、背景にある職場や社会の問題を把握した上でのアドバイスができることを求められます。

育休後アドバイザーになると、職場や地域で仕事と育児の両立に悩んでいる人に的確なアドバイスができるようになります。組織における人事やダイバーシティ推進部門の方、キャリアコンサルタントの方、地域の男女共同参画センターや就労・子育て支援担当の方に学んでいただけたらうれしく思います。

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